お役立ちコラム 交通量調査
お役立ちコラム
交通 量調査
2025年9月19日
交通量調査のやり方とは?基本から実施方法まで詳しく解説!

「交通量調査って、どうやって始めたらいいの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
交差点でカウンター片手に立っている調査員の姿を見たことがある方も多いかもしれません。実際のところ、交通量調査にはいろんな方法があり、目的や場所によって使い分ける必要があります。
この記事では、交通量調査をこれから実施したい人や、手法を見直したい人に向けて、わかりやすく解説していきます。
交通量調査ってなに?
交通量調査とは、ある道路や交差点を通過する車や人の数をカウントして、交通の流れや混雑の状況を把握する調査です。行政機関や自治体、コンサルタント会社、建設会社などが、都市計画や交通整備のために行うことが多く、道路の性能や使われ方を「見える化」する手段の一つといえます。
交通量調査によって得られるデータは、道路の整備計画や渋滞対策、信号の見直し、新しい施設の建設など、さまざまな場面で活用されます。建設プロジェクトの影響を予測したり、既存の交通環境をより安全・快適に整備したりと、調査結果は現実の社会インフラに直結しています。
たとえば、「この交差点、朝はいつも渋滞するから信号の間隔を変えよう」とか、「大型施設を作るけど、周辺道路の負荷は大丈夫?」といった判断材料になるのです。
また、交通事故が多発する地点の原因分析や、歩行者や自転車の安全対策を講じるための資料としても、交通量調査のデータは非常に有効です。
日本国内で交通量調査を行う際の基盤となるのが「道路交通センサス」です。これは国土交通省が中心となって5年に一度実施する大規模な調査で、全国の道路における車両や歩行者の通行状況を網羅的に把握することを目的としています。センサスのデータは、各自治体や企業が行う個別の交通量調査の設計や結果の評価にも役立てられています。
道路交通センサスは長期的な交通の動向を把握するための重要な基礎資料となっており、こうした全国的な調査データと現地での詳細な調査結果を組み合わせることで、より正確かつ効果的な交通対策を実施することが可能です。
何のために調査するの?
目的に応じて調査の規模や方法が変わります。調査の目的を明確にしておくことで、必要な情報や適切な手法を判断しやすくなります。
よくある目的は次のようなものです:
道路や交差点の整備計画に活用するため
渋滞の状況把握と対策のため
特定地点における車両の通行実態を調べるため
車の種類(乗用車/バス/トラック等)や通行方向の分析
商業施設・学校・物流施設などの建設に伴う交通影響調査
防災・避難計画に関連した交通状況の把握
観光地・イベント会場周辺の混雑度の分析
また、観測期間も重要です。たとえば平日だけでなく、週末や祝日の交通量も比較したい場合や、季節要因(夏休み・年末年始など)を考慮したいケースもあります。
どんな方法があるの?主な調査方式を比較!
交通量調査には、人が直接カウントする方法から、最新のAI技術を使った解析まで、さまざまな手法があります。
方式別比較表
方法 | コスト感 | 精度 | 環境による影響 | 特徴 |
人手カウント | 高い | 昼:高/夜:やや低下 | 夜間に視認性が低下 | 柔軟に対応できるが、人的ミスや疲労の懸念も |
映像解析(自動) | 中〜高 | 昼:95%/夜:80〜90% | 雨・夜間でやや精度低下 | AIによる解析で省人化。最近特に注目 |
映像解析(人手) | 中程度 | 映像次第 | 映像品質が重要 | 映像をあとから何度も確認できる |
センサー方式(光学式) | 中程度 | 高い | 雨・雪で性能に影響あり | 赤外線・レーザー使用。設置も比較的簡単 |
センサー方式(振動式) | 低~中 | 約95%(調査会社による数値) | 昼夜とも安定、天候に注意 | AIによる解析で省人化。短期観測に最適 |
方法ごとの詳しい解説
人手カウント
特徴: 交差点などに調査員が立ち、専用のカウンターやチェックシートを使って目視で 車両や歩行者をカウントする、最も基本的かつ歴史のある方法です。場所や状況に応じて柔軟な対応が可能で、現場の状況に即した詳細なデータ取得ができます。特に突発的な状況変化や特殊車両の把握など、機械では対応しきれないケースにも強みがあります。
メリット:
目視で柔軟な対応が可能
車種や方向など詳細な情報を即座に把握できる
デメリット:
コストが高く、長時間調査には不向き
夜間や悪天候時は視認性が下がり、精度が低下